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民主化の道
第二次世界大戦後、中華民国が台湾を接收し、台湾の住民はようやく植民地支配から解放され、誰もが「祖国復帰」できると思い、政治にも積極的に参加しました。やがて228事件の影響でその声もかき消されました。その後、国民政府が台湾に撤退し、台湾海峡を挟んで双方の軍隊が対峙。政府は人民の自由権を制限し38年にわたって戒厳体制を敷きました。「中華文化」だけを尊重する一方で、地方選挙を実施して、台湾を「自由中国」の模範省と宣揚しました。世代交代が進み、社会的な力が飛躍的に高まるにつれて、犧牲と奪取を繰り返しながらも、台湾を台湾として認識しようという声が次第に社会の中心を占めるようになりました。戒厳令解禁、動員戡乱廃止から総統直接選挙まで、中華民国は直接的な民主国家へと姿を変えていきました。このような紆余曲折を経た民主化の道は、意見の違いによる折衝と摩擦の過程であり、直近の2~3世代の台湾の人々がお互いを思い、多様な対話を通した生きられた経験でもあるのです。