異なる地方の平埔族グループは、もともと独自の生活文化とネットワークを持っていましたが、更に漢人社会、清朝官府、欧米人宣教師といった様々なグループと接触により、それぞれの部落が置かれた環境や発展状況は全く異なっていました。官府と密接な関係を作り、手柄を立てて肩書きを手にする人もいれば、土地賃貸料を徴収する「番頭家」になる人、漢人と同じく投資や商売を始める人もいました。とはいえ、大半の人は生まれ育った場所で生活を続けるのが難しく、安住の地を求めて移住していきました。このような原住民たちのライフストーリーから、異なる時代や境遇の下、この地に暮らす人々が各々生きていくための術を探していたことが分かります。